こどもの矯正 PEDODONTICS

小児矯正治療は、
成長期だからこそできる
バランスのよい顎顔面発育のための治療

お子さまの歯並びや噛み合わせに関するお悩みは、できるだけ早いタイミングでご相談頂きたいと考えています。遺伝的な要素以外に顎顔面発育を決定するものは、悪習癖と姿勢、呼吸です。特に、多いのが口呼吸と指しゃぶりです。

これらの習癖が就学時以降も続くと、13歳以降に矯正治療をしても骨格のバランスがとれません。口腔が成長する10歳までの時期は、顎の骨が柔らかいため、歯が並ぶ土台である歯列弓の形を整えたり、口腔周囲筋のトレーニングで顎の発育を促したりするのに良い時期であり、身体への負担を抑えた治療を行うことができます。

また、顎の成長は硬いものを噛むことで促されますが、近年では柔らかい食べ物が増えたために、顎が狭いまま大人になることで、歯並びがデコボコになるケースが増えています。

さらに、頬杖をつく、舌で歯を前に押す、口呼吸をしているといった悪習癖が、歯並びや顎顔面を悪くしているケースも多々見られます。そういった状況を早期に見抜き、お子さまにとって無理のない方法で口腔環境を整えるためにも、定期的に歯科検診をご利用ください。

こんな症状は、歯並びが悪くなるサインです

    • お口がぽかんと開いている

    • 柔らかい食事をとる機会が多い

    • 鼻詰まりが続いている

    • 乳歯と乳歯の間に隙間がない

    • 爪噛み

    • 指しゃぶり

    • 猫背になっている

矯正治療の方法

  • MFT(口腔筋機能療法)

    舌や唇、お口周りの筋肉を鍛えることで、口腔周囲筋の機能を改善させるトレーニング法が、MFT(口腔筋機能療法)です。食べ物の噛み方・飲み込み方、唇や舌の正しいポジション、正しい姿勢などを練習することで、自然な流れで鼻呼吸、咀嚼嚥下、発音の機能、歯並び等を習得できます。

    歯並びの乱れは、遺伝による先天性なもの以外にも、舌や唇の動かし方や呼吸、姿勢などに悪いクセがついていることによる後天的な原因が挙げられます。
    後天的な原因を取り除かなければ、何度矯正治療をしても歯並びが悪くなってしまいます。矯正治療と併用して、悪習癖自体を改善させるためにMFTを治療計画に組み込むこともあります。

  • EFライン

    取り外し可能な器具を用いて、歯並びが悪くなる根本的原因を取り除くトレーニングを行い、歯や顎の矯正をしていくシステムです。自然に成長発育を促すことにより、将来的にバランスの良い口腔状態を目指すことが目的です。
    対象年齢は5歳~12歳ですが、歯並びを悪くする口腔習癖にスムーズに対処するためにも、永久歯が生え始める前のタイミングから治療を開始することが望ましいです。

    装置の装着時間は1日のうち日中の2時間と、夜間の就寝中のみです。歯や顎の成長を妨げている悪習癖を正しつつ、歯の土台(歯列弓)の形を整えていきます。EFラインの治療に痛みはありません。

床矯正治療とは?

床矯正は、顎が柔らかいうちに歯列弓を拡大していく、小児矯正治療の一つです。乳歯と乳歯の間に隙間がなく歯列が整列している状態は、一見きれいな歯並びに見えるかもしれません。しかし、永久歯は乳歯よりもサイズが大きいため、乳歯の段階で隙間がないと「上にある乳歯が邪魔をして永久歯がなかなか生えてこない」「生える位置が前後にずれる」などの問題を引き起こします。

このような不正咬合を予防するために、あらかじめ歯列弓を広げておくことで、永久歯が整列するのに必要なスペースを用意するのが床矯正です。対象年齢は乳歯と永久歯が生え変わる6歳~10歳で、治療期間は1年~2年を目安に行います。永久歯が生え揃うと顎の骨を広げるのが難しくなるので、できる限り早いタイミングで治療を開始するのが望ましいといえます。

矯正治療のステップ

  1. 5歳~8歳 
    予防矯正期

    予防矯正期には正しい成長を妨げている原因を取り除き、大まかな歯並び・噛み合わせの調節を行う時期です。具体的にはEFラインやMFTによって、歯が並ぶ土台を整えたり、お口周りの筋肉を整えたり、歯並びを悪くする習癖を改善していきます。

    この時期に正しい口腔内環境を整えておくことで、将来的にバランスの良い成人矯正が行える可能性が高まり、矯正期間の短縮にもつながることがあります。お子さまの身体に与えるダメージを抑えられることも大きなメリットです。

  2. 8歳~12歳 Ⅰ期矯正

    前歯が4本生えてきたこの時期からは、引き続き習癖の除去を行うとともに、器具を使い顎の大きさを広げたりバランスを誘導したりして、将来的な歯並び・噛み合わせを整える準備をします。
    取り外し可能な装置を使うときは、在宅就寝時に10時間ほど装置を使用し、少しずつ骨の成長を利用しながら、歯の位置を調節することが可能です。その他にも固定式の装置を一時的に使用し部分的に歯並びを整えて成長期を迎えます。

    この治療が行えるのは、乳歯と永久歯が生えかわる交換時期(8歳~12歳まで)で、治療期間は約2年が目安です。EFラインや床装置は在宅就寝時のみの使用で、お子さま自身で付け外しができるので、食事や歯磨きの邪魔になりません。
    また前歯に使用するブラケットも透明で目立たないため、口元の見た目を損なわず、多感な時期のお子さまにコンプレックスを抱かせることもありません。

  3. 12歳~ Ⅱ期矯正

    永久歯が生え揃ったあとは、成人矯正と同様に歯自体を動かす矯正方法に変わります。当院のⅡ期矯正治療では、お子さまの症例に応じてワイヤー矯正とマウスピース矯正の2種類を使い分けています。

    治療後には、動かした歯の位置を安定させるための保定期間が必要です。1年~2年の間、取り外しができるリテーナー(保定装置)を使用することにより、歯の後戻りをしっかりと防ぐことができます。

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